【アーロン・ジャッジ】2者連続でMLB初打席初ホームランを記録(2016年)【タイラー・オースティン】
MLBを代表するホームランバッターであるアーロン・ジャッジ選手(ニューヨーク・ヤンキース)と、2024年にNPBで首位打者を獲得したタイラー・オースティン選手(横浜DeNAベイスターズ)。共通点のなさそうなこの2人の選手は、実は非常に珍しいMLB記録を樹立しています。
ジャッジ選手とオースティン選手は、同じ試合でメジャーデビューし、2者連続で初打席を迎え、その打席でそろってホームランを記録する、すなわち、2者連続でMLB初打席初ホームランを記録する、というMLB史上初の記録を作りました。
●アーロン・ジャッジ選手について
1992年生まれのジャッジ選手は、2013年MLBドラフト1巡目でヤンキースの指名を受けて契約。24歳となった2016年にメジャーデビューを果たすと、翌2017年に52本塁打を記録して当時のMLB新人最多本塁打記録を更新します。2022年にはロジャー・マリス氏が1961年に記録したシーズン61本塁打のア・リーグ記録を61年振りに更新する62本塁打をマーク。MLB屈指のホームランバッターとしての地位を確立しました。
ジャッジ選手は2025年シーズンも絶好調。本塁打、打点でリーグトップ争いを演じるだけでなく、6月に入っても依然4割近い打率を残しています。昨年は本塁打王と打点王を獲得したものの僅差で首位打者を逃したジャッジ選手でしたが、今シーズンは開幕から高打率をキープしており、三冠王の可能性大です。
●タイラー・オースティン選手について
1991年生まれのオースティン選手は、2013年MLBドラフト13巡目でヤンキースの指名を受けて契約。24歳で迎えた2016年シーズンにメジャーデビューを果たしますが、レギュラー定着には至らず、その後複数の球団を渡り歩きます。
2019年オフにDeNAベイスターズと契約すると、1年目の2020年シーズンは65試合の出場ながら20本塁打をマーク。度重なる故障に悩まされる中で奮闘し、2024年には打率.316で初の首位打者に輝きました。今シーズンはコンディション不良が続き、一軍と二軍を往復しています。
●ジャッジ選手とオースティン選手の奇跡のデビュー戦
2013年から3年連続で地区優勝を逃したヤンキースは、2015年オフにアーロン・ヒックス選手(26歳)やスターリン・カストロ選手(25歳)ら20代半ばの若手選手をトレードで獲得。その一方で、翌2016年のトレード期限間際に、セットアッパーのアンドリュー・ミラー投手(31歳)や、当時チーム三冠王だったカルロス・ベルトラン選手(39歳)などのベテラン選手を放出し、チームの若返りを図ります。
そんなチームの中で当時、若手有望株として期待されていたのが、前述のジャッジ選手とオースティン選手、さらに一足早く2015年にメジャーデビューを果たしていたゲイリー・サンチェス選手のルーキートリオでした。強打が売りの3人は「ベイビーボンバーズ」の愛称で注目を浴び、将来、ヤンキース打線の中核を担う選手として大きな期待を受けていました。
こうして迎えた2016年8月13日、ヤンキースタジアムで行われる対レイズ戦の先発メンバーに「ベイビーボンバーズ」の3人が名を連ねます。6番・指名打者にサンチェス選手、7番・一塁手にオースティン選手、そして8番・右翼手にジャッジ選手が先発起用されました。オースティン選手とジャッジ選手は、同日にメジャー契約を結んでロースター入りしたばかりで、この試合がメジャーデビュー戦となります。
最初に喝采を浴びたのはオースティン選手でした。2回裏のヤンキースの攻撃で、二死無走者の場面でメジャー初打席を迎えたオースティン選手は、カウント2-2からのフォーシームを流し打ち、右翼ポール際に飛び込む先制ソロホームランを放ちました。オースティン選手にとっては、記念すべきメジャー初打席初ホームランです。
そしてオースティン選手に続いてメジャー初打席に臨んだジャッジ選手。カウント1-2からの浮いた変化球を捉えると、打球はグングン伸びてバックスクリーンに飛び込む2者連続ホームランとなりました。もちろんジャッジ選手にとっても記念すべきメジャー初打席初ホームランです。そしてこの瞬間、MLB史上初となる2者連続でのMLB初打席初ホームランが記録されました。
ホームインしたオースティン選手を肘タッチで出迎える次打者のジャッジ選手、そしてジャッジ選手のホームラン後、ベンチで互いの健闘を称えて軽くハグをするジャッジ選手とオースティン選手の姿が、とても印象的でした。両選手の現在置かれている立場は大きく異なりますが、メジャーの初舞台で両選手が起こした奇跡のホームランは、いつまでも色褪せることはないでしょう。
余談ですが、この試合のヤンキースの先発投手は、「マーくん」こと田中将大投手でした。田中投手は7回を投げて4失点でしたが、打線の援護もあって9勝目を挙げました。また、この試合の「ベイビーボンバーズ」の結果は、サンチェス選手が4打数0安打、オースティン選手が4打数2安打1本塁打1打点、ジャッジ選手が4打数2安打1本塁打1打点でした。